シニアがペットと暮らす理由-2
2016/06/28
シニア(高齢者)がペットと暮らす良い点と心配な点
かわいいペットと暮らすことは、シニアの生活に潤いを与え、心の安らぎ、癒しと体の健康をもたらしてくれる可能性が高いが、なかなか踏み切れない、その辺りの心配事を整理してみたいと思います。
私は、昨年まで、16年にわたり、毎日休むことなく犬と散歩をしてきたので、たとえ距離は短くても、それがどれほど健康増進に役に立つのか、身を以て実感している。実際、昨年飼っていた犬が亡くなってから、足腰が弱くなったことを自覚している。犬に触ったり話しかけるような、癒しの時間がないことが寂しく、もし犬がいたらどんなに落ち着いた時間を過ごせるだろうかと思う。
犬や猫を飼っている多くの人がこれは実感していることではあるが、人とペットとの関係が人間の精神面に与える効果が科学的に立証されてきたのはごく最近のことらしい。
特にストレスの低減の効果は大きく、動物を撫でることで、人間もペットも血圧が下がり、動悸が安定化し、ストレスが低下する。また、犬の場合は、飼い主と見つめ合うことで、絆の形成に関わるある種のホルモン(オキシトシン)が増加することもわかってきた。ストレス低下は心臓疾患の発生を低下させることがわかっている。残念ながら私の場合は、数年前に軽い狭心症と診断されて、カテーテル手術をしている。犬を飼っていなかったら、もしかすると心筋梗塞で倒れていたかもしれない。
こんな良いことばっかりであるが、シニアにとっての、特に前にペットを飼っていたことのある高齢者にとっての心配事のひとつは、ペットが年をとることよりも自分の高齢化が進んでしまうことである。
私が子供の頃の家庭で飼う犬の寿命は、5、6年であったような気がする。普通の家庭では、犬の食べ物は残飯であり、いわゆるご飯に味噌汁をかけたようなイメージであった。塩気が多すぎの食事である。食事の質だけでなく、さまざまな病気に対する予防や治療も、今と比べると全く充実してはいなかった。
今はペットは家族の一員であり、管理された食事と医療を受けて、10年から15年くらいは、元気に生きている。60歳で飼い始めたとしても、75歳まで、70歳で飼い始めたら85歳まで生きることになる。自らの高齢化に伴い、伴侶であるペットの面倒を最後まで見れるかどうかが心配となる。
近所の知り合いのご夫婦は、何頭目かの犬を70歳近くで飼い始めるときに、子犬ではなく、すでに5歳くらいになっている犬を施設から貰い受けて飼い始めている。自らの高齢化を考慮しても、看取ることができるようにという考えがあったようである。犬の扱いに慣れていてある程度健康にも自信があるシニアに関しては、このようなアプローチが可能でしょう。
一方、そこに自信がないシニアのためには、飼えなくなったペットを預かって、責任を持って見てくれる組織もあるようで、高齢などの理由で、飼えないとなると預かって、里親を探してくれる。
このような善意にすがる方法に加えて、もうひとつお金で解決するという試みもある。それは、、、、ペット信託という信託制度。信頼できる民間の団体、会社などにお金を預けて、そのお金を、自らが面倒を見られなくなったペットの面倒をみるために、使う仕組みです。残せるお金のある人には、ひとつの選択肢かもしれません。
スロージョギングで体力を維持しながら、まだしばらく悩むことになりそう。
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約20年間で私が出会った様々な例を参考に考察したいと思っています。
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