スギ花粉症根治 お米を食べるだけで効果あり?
2016/11/10
花粉症を緩和するお米の効果を検証するために、本格的に臨床研究が始まるそうです。
はじめに
遺伝子組み換えでできたお米(花粉症緩和米)を食べるだけで、スギ花粉症が根治(完全に治癒)できる、という可能性は、以前から知られていました。
2016年11月から、花粉症緩和米の臨床研究が始まるそうです。
本当に、どのくらい期待できるのでしょうか?
従来の治療方法に比べて何が違うのか
スギ花粉症の人は多く、日本人の4人に1人の割合と言われています。
根治する方法としては、従来は、スギ花粉に含まれている原因物質(抗原)を、少量口の中(舌下)に含む、又は注射するなどして、体内に入れて、時間をかけて症状が出なくする方法が有名です。
簡単に言えば、徐々に抗原に慣れさせて、最終的にはアレルギーが起こりにくい体質に変えていこうというものです。
問題は、治療自体には2~3年が必要です。
しかし、治療期間が長くかかること、体内に入れる量の加減の見極めが必要なこと、まれに副作用がおこることもあり、必ずしも普及しているわけではありません。
これに対して、遺伝子組換え技術を利用したスギ花粉症緩和米というものが開発されています。
このスギ花粉症緩和米では、米の中にスギ花粉の持っている抗原決定基(エピトープ)の一つを作り出すことで、わたくしたちの体が、それを体の中の抗体に花粉が入ってきたと錯覚させようとする狙いがあります。
エピトープとは、花粉の表面にあって、抗体が花粉を異物であると認識するために必要な部分のことをいいます。
従来のように花粉全体を使うと、原因物質そのものが体内に入るので、強いアレルギー反応が出やすく、体の負担や副作用に注意しなくてはいけません。
一つのエピトープしか入れないスギ花粉症緩和米の場合は、体に対しての負担や副作用が少なく効果の高い治療法となると期待されています。
スギ花粉症緩和米は、国立研究開発法人農業生物資源研究所(生物研)で開発され栽培されています。
なお、2016年4月1日に国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)に統合されています。
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臨床実験
2012~2014年に、東京慈恵医大にて、花粉症の患者に、スギ花粉症緩和米を食べてもらた結果、症状は改善する傾向はあったものの、効果のはっきしした確認ができなかったそうです。
副作用はなかったのは確認されました。
そこで、今回は、大阪府の府立呼吸器・アレルギー医療センターなどで、臨床研究が始まり、効果をきちんと確認するということです。
多くの人に対して、半年から1年くらい、スギ花粉症緩和米と普通のお米を混ぜたものを、割合を変えて食べてもらい、スギ花粉に対する抗体を調べるということです。
スギ花粉症の根本的な治療法として、結果が期待されます。
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まとめ
当ブログの管理人も、目のかゆみと、くしゃみにやられています。
お米だけで治療できるのであれば、素晴らしいですね。
結果と、早期の商品化を期待します。