離れて暮らす親にプレゼント コミュニケーションロボットを考える
2018/03/21
一人暮らしの親の沈みがちな気持ちを楽しくさせたい。毎日毎日電話をかけるわけにもいかないし。(2016/11 追加あり)
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最近、AIとかロボットとか、技術が進歩しています。
通販番組などで有名なお掃除ロボットも皆さん使ってますね。特に、日本の家の事情に合わせベッドやソファーの下も潜り込んでいける最薄型モデルは、体を曲げにくい高齢者には良いかもしれません。充電を忘れる人もいるので、自動的に戻って充電するのは良いですね。
最近は窓まで掃除してくれる優れたものも登場したりしています。
様々な介護の場面において、筋肉が弱くなって動きにくい体を動かすのを助けたり、介護ヘルパーが介助するために使われる介護用ロボットもあるようです。
物理的な支援はできなくても、高齢者が一人で暮らしていて、コミュニケーションを図ることで活性化の一助となるような、そんなロボットがあるといいな、と考えているこの頃です。
概要
人間の声を聞き取り、分析して、または顔も認識し、その人に応じた返事をしてくれる、人工知能的な機能の入ったロボットを、コミュニケーションロボットと呼んでいます。
一人暮らしの老人の、活性化を目指したコミュニケーションロボットとして、手軽に利用できるような、手ごろな値段のロボットに興味があります。
私の親もそうですが、高齢者が一人で離れて暮らしていて、外に一人で外出することも難しいし、ペットも飼えない状況です。ロボットで日常のコミュニケーションを図ることで、脳の活性化の一助とならないだろうかとの期待を持っています。
そのような目的で、一般の人が手軽に使えることを想定したコミュニケーションロボットを比較してみます。
だいたい10万円未満で購入できるものを対象にしてみました。(まだ値段は公表されていないものもありますが、大体の予想で選んでいます。)
TAPIA(タピア)
このロボットはごく最近発表され、現在先行予約を募集している最新の製品になります。キャッチフレーズは、「あなたに寄り添って、学習し、友達のように仲良くなれます」
想定するユーザー
DMM.make ROBOTのサイトによると、一人暮らしのパートナーとして、子供と離れて暮らす老夫婦、会社の受付などに利用することを狙っています。
高齢者でも簡単に操作でき、”声で話しかけ、時には、指でタッチする”簡単な操作で使えるという特徴を謳っています。
機能
このロボットの機能は大きく分けて4つ。
顔認識機能
オーナー登録で、最大5名までの顔を登録すると、Tapiaは顔を認識し、話しかける人を認識して反応してくれます。
みまもり機能
あらかじめ定めたメインオーナーを認識し、一定時間以上メインオーナーとTapiaのやり取りがない場合、遠隔のスマホに通知します。
遠隔から内蔵のカメラで、部屋の中の状況をチェックすることができます。
会話機能
日常会話には感情表現と好感度システムを搭載しているので、ユーザの接し方でタピアの応答が変化するということです。
感情表現は、ロボットの発する音声や、動き方、液晶の表示でユーザーに見せるようです。言葉遣いも多彩で、自発的に話しかけるということです。
日常の挨拶も自発的にしてくれて、毎日話すと好感度が変化して仲良くなれるということ。
(これは実際にやってみないと、どの程度ユーザーに対応するのか、わかりませんね)
生活サポート
電話機能が備わっており、音声で”電話をかけて”などと、Tapiaに話しかけると、簡単に電話ができたり、テレビ電話で、家族と顔を見ながら話せます。ただしその場合は、相手の家族はスマートフォンに専用のアプリのインストールしておくことが必要です。
その日の天気やニュースを話したり、カメラでの写真撮影や、音楽再生も音声の指示で可能ということ。
スケジュールを入れておくと、読み上げてくれて、うっかり薬を飲み忘れるとか、生活リズムの中で、物忘れ防止、行動のリマインドに役立ちます。
(誰かがスケジュールをきちんと入力しないといけませんが、、、遠隔で家族の誰かがセットしてあげられれば、便利かもしれません)
技術仕様(特徴)
適度な大きさで、21(幅)×21(奥行)×25(高さ)cmで、バッテリーを内蔵している。
家の中で設置場所は自由度が高いようです。
システム的には、Androidベースで作られており、通信環境はWi-Fiと4GLTEに対応しています。
使い方
製品の状況
TAPIAはコミュニケーションロボットとして、2016年4月から、MJIが販売を開始しており、300台まで、先行予約を受付中です。予約ウェブサイトはこちらです。MJIは2015年に設立された、コミュニケーションロボットを作る会社です。
一方、2016年6月28日から開始ということで、DMM.make ROBOTS にて予約販売開始がアナウンスされました。こちらのサイトから http://robots.dmm.com/robot/tapia
TAPIAのまとめ
値段は、税抜きで、98000円となっています。
私、元気シニアの評価としては、離れて暮らす親のために、使えるのかどうか、現物を触って、いろいろ確認しないと98000円での購入は、現時点で判断できないですね。
実物で確認してから、もしかすると買うかもしれません。
今後の追加機能として、Tapiaからインターネットを介して、お買い物ができますとか、外出先から自宅にある様々な対応機器をインターネット経由で操作できますとかありますが、離れて暮らす高齢の親には使える機能ではありません。。。。
追加機能は、一人暮らしの独身者には、いいかもしれないですが、これに頼るのは寂しいのではないか、と思います。割り切ってドライに使える人には、いいかも。
オハナス(Omnibus OHaNAS)
デザイン的にはTAPIAと似ている(逆で、TAPIAが似ている)コミュニケーションロボットです。2015年の6月にタカラトミーから発表され、2015年10月から販売開始、現在は広く購入が可能になっています。
2016年6月22日現在で、アマゾンで11,000円で購入可能です。
想定するユーザ
スマホやタブレットを使っている人、使いこなせる人、主として若者世代をターゲットとしている。
スマホやタブレットと一緒に用いることが前提なので、一人暮らしの高齢者の会話の活性化に期待するのは難しそうです。
オハナスを使うためには、以下のテーブルにあるスマホやタブレットを必要とします。
機能
スマートフォン/タブレットとつなぐことで、NTTドコモの”しゃべってコンシェル”技術を応用し、自由に自然な会話が楽しめるコミュニケーションロボットです。
その日のお天気や、こんだてレシピなどの最新情報なども反映、その他、しりとりや、俳句、占いなど、たくさんのお話しメニューを搭載されています。
技術仕様(特徴)
オハナス本体からはBluetoothでスマホ/タブレットに接続し、スマホ/タブレットからはWi-Fiまたは4GLTEでネットワーク経由でクラウドサービスを利用する形態になります。
本体は、電池使用も可能ですが「タカラトミー玩具用ACアダプタTYPE5」にも対応している。
本体の大きさは、高さが16cmと小さい。
製品の状況
2015年10月から販売開始、現在は広く購入が可能になっています。最初の製品は、レビューによると悪評が高く、認識や応答に問題があったと言われています。その後バージョンアップで、現在は、改善されたというレビューが多い。
2016年6月22日現在で、アマゾンで11,000円という価格設定です。
オハナスまとめ
スマホやタブレットを用いるサービスであり、コミュニケンションロボットしての役割はほとんどが、そのアプリの性能にかかっている。
離れて暮らす高齢者のコミュニケーションロボットしては、現状は使えません。
<追加>2016/9/06
Amazonのカスタマーレビューでは、星一つが多いですね。
カスタマーレヴュー、抜粋
正直に言います。スマホアプリがメインです。OhaNas本体はスピーカーとマイクでしかないです。
しかも、音声認識はレベルが非常に低い。
1万8千円で買いましたが、失敗でした。
OhaNasのアプリをインストールして課金すれば十分でしょう。
ロボットではないです。
Robi jr.(ロビジュニア)
タカラトミーのコミュニケーションロボットです。2015年から販売しています。
想定するユーザ
スマホやタブレットを前提としないので、単体で使えます。
子供から、大人、高齢者まで使えるものになっています。
ただし、上手く会話を成立させるためには、話しかけ方にコツが必要なようです。
上の動画でもわかるように、話しかけワードリストが決まっていてパターンも決まっているので、どうも自然な会話には程遠いですね。
でも少しの工夫をして慣れてくると、それなりに会話が楽しめるようになります。
機能
単体で動くコミュニケーションロボットです。
約1,000フレーズの言葉をお話しできます。
時計、カレンダー機能があり、季節や、1日の時間帯によって挨拶をすることができます。
話す内容に応じて、首や手足が動いて、可愛い仕草をすることができます。
製品の状況
2015年2月から販売開始、現在は広く購入が可能になっています。
2016年6月22日現在で、アマゾンの通販サイトで大体13,900円という価格設定です。
ロビジュニアまとめ
低価格のコミュニケーションロボットして、位置付けられる。
使い方で心配な部分は、言葉の種類やタイミングでちょっとしたコツが必要になる点。
反応が鈍くなって観察力が乏しい高齢者が上手く使いこなせるかどうか。
これは、コミュニケーションロボット全体に言えることであるが、合成音声は、少し甲高い感じ、耳が遠くなった高齢者が聞き取れるかどうか。
なお、Robiというロボットもありますが、これはマガジンを購読して自ら組み立てるもので、一般には手に入りません。ここでは対象外とします。
興味ある方はこちらを→ http://deagostini.jp/rbi/
unibo
uniboは、家族観の交流の促進や生活を支援するために生まれた次世代型のソーシャ ルロボットとして発表されています。
uniboの発する音声には株式会社エーアイの高品質音声合成エンジン「AITalk®」が採用されており、ユーザーのニーズに合わせた様々な情報を合成音声で発声します。
また、エーアイのオリジナル音声辞書作成サービスを用いると、家族の声、友達の声、好きなアニメキャラクターの声、タレントの声を用いて、uniboを喋らせることができるそうです。
想定するユーザ
機能、仕様(特徴)
詳細は明らかにされていません。
uniboで用いられるAITalk®は、従来の機械音ではなく、人の声で合成する技術コーパスベース音声合成方式を採用しているので、より人間らしく自然な音声で音声が合成できるとされています。
より自然に喋るコミュニケーションロボットが実現できることが期待されます。
製品の状況
2016年7月から先行販売を開始する予定。
uniboまとめ
より人間らしく自然な音声で話すロボットができそう。
世界初の個性を学習するパートナーロボットということで、http://www.unirobot.comでは発表しているが、内容は詳細不明です。
私は、今まで商品化されたり展示されたコミュニケーションロボット達の合成された”声の質”には、とても違和感を持っていたので、実は期待しているロボットです。
機械的な可動部分はあまり複雑ではないので、値段は10万円未満ではないかと予想しています。
RoBoHon(ロボホン)
番外編として、追加しました。
ロボホンは、スマホの変形として、モバイル機器のような存在です。今回定義している高齢の親のために使えるコミュニケーションツールとしては、適用外なのですが。
まず値段が高すぎます。税抜きで198,000円で、その他に月額のサービス料金がかかります。
使い方は、高齢の親には難しすぎます。
もしもすべての機能が遠隔操作できるようになれば、役に立つかもしれません。
さらに、今後追加していきます。。。
現時点では、離れて暮らす高齢者の話し相手になるコミュニケーションロボットで、これはお勧めというものはまだ見つかっていませんが、今後も候補は出てくると思います。
「AIBOに近しいロボットを」ソニーが再度参入と発表しましたが、、
2016年6月29日に、ソニー、10年ぶりにロボット事業に参入ということで、ニュースになりました。
内容は全く不明ですが、期待しちゃいます。
ITメディアニュースによると、” ソニーの広報担当者は「AIBOに近しいロボットの開発を目指す」と説明。99年にAIBOの初代モデルを発売し、03年9月までに計13万体を売り上げたが、業績不振に陥った06年に生産を終了していた。撤退後も研究は継続しており、10年前は未発達だった人工知能、センシング技術を活用し、ネットワークと接続するすることで、より広範なサービスが提供できると判断。「時代が追い付いた」(広報担当者)として、再び参入を決めたという。”
コミュニケーション機能は、かなり充実しているものが期待できるかもしれません。
今までのAIBOでも、ユーザはかなりの愛着を覚えて、壊れたAIBOのお葬式まですることが、話題になっていました。
さらにどんな機能が追加されるのか、また、犬型なのか?不明です。
<2018年追加予定>
ついに、AIBOの後継ロボット(ワンちゃんでした!)出ました:-)
JIBO (番外編、英語のみ)
スタートアップ製品のファンドを募集するIndiegogoで2014年に最初に発表された、家庭用ロボットがJIBOです。 Indiegogoのサイトでわかるように、$3,711,209を集めました。
残念ながら、日本語には対応していません。また、完成品としての評価はまでありません。
MITの研究者が考案した、ファミリー用のソーシャルロボット、コミュニケーション能力は高いようです。
現在、以下のサイトで、再度予約の申し込みを受け付けています。
金額は、US$749ですから、10万円以下となります。
(新規追加:2016/11)
アザラシ型ロボット:パロ (PARO) (高齢者に癒しを与えるロボット)
大和ハウス工業のロボット事業として開発され、実際に使用されているロボットPAROは、高齢者に癒しを与える効果があるようです。
何かをお話しするということではなく、アニマルセラピーの効果を、ロボットで実現しているのが特徴です。
サイトにおける説明によると、本物のタテゴトアザラシの赤ちゃんの習性を再現しているので、高齢者にとって、アニマルセラピーと同様な効果を与えるそうです。
機能説明
パロは首、前足、後ろ足、まぶたが可動し、それらの組み合わせにより生き物らしく動作します。また、ふれあう相手や状況を感じるためのセンサー(視覚、聴覚、触覚、運動感覚など)により、光の変化を感じたり、なでられたり抱かれている状況を認識したり、自分の名前を覚えたり、挨拶や褒められる言葉を学習したりします。そのような人とのふれあいを重ねることにより、パロの内部状況(心や感情のようなもの)が変化し、反応が変わったり、飼い主の好みに合わせて行動したりするようになります。また、本物のタテゴトアザラシの赤ちゃんがそうであるように、パロにも朝・昼・夜のリズムがあり、休んだり活発になったりします。
(上記の引用はパロのサイトの機能説明から)
実際の動きとしては、名前を覚えて、呼ばれると反応する、まぶた、首、前足、後ろ足が動く、抱きかかえたり撫でると喜ぶ、飼い主の好みの行動を学習、アザラシの鳴き声で鳴く(話をするわけではない)、などです。
一体づつ、手作りで作られているため、それぞれ個性があるようですが、その分値段は高くなります。
効用
高齢者の心を明るくするパロの癒し効果は様々な臨床研究で、実証されています。
例えば、パロによるロボットセラピーの研究会が定期的に開催され、癒し効果の事例発表や議論が行われています。
2016年に行われた研究会の発表では、例えば、介護拒否をしているような、在宅の高齢者が、パロに触れ合うことで、生活状態が変わったことを、報告しています。
”パロが導入されることで高齢者の無為な時間が減り、孤独感が癒されること、家族やヘルパーさんと楽しいコミュニケーションの機会が増えたこと、など閉ざされがちであった心が開かれたと考えられる”と報告されています。
なぜアザラシなのか
実は、人のパートナーとしてのロボットなら犬型や猫型がもっとも身近でふさわしいと考える人も多いでしょう。
実際には、人は犬や猫などはあまりに身近で、その反応や行動を良く知りすぎているため、リアリティが少しでもなかったりすると、これは違う、と期待外れに感じます。
そこで、あまり身近にはない、アザラシ型を採用したそうです。
気になる値段
動物のような動きをすることで、アクチュエーターもたくさん入っているし、人口羽毛による手作りということで、1体で、40万円くらいするようです。
個人で購入するには値段が高いかも、当分は介護施設で使う用途かもしれません。
でも効果は実証されているので、気になります。
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最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
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