インターネットの速度に関する基本知識/初心者向き回線速度の考え方
2016/11/12
最終的には、高速インターネットを正しく選びたいのです。そのためには、基本を知っておく必要がありますね。初心者にもわかる基本の共有をしておきましょう。
はじめに
最近、インターネットで海外ドラマ、映画などあらゆる映像を楽しめるサービスが数多く出現しました。HULU, Netflix, Amazonプライムビデオ、などが楽しめます。
スカイプやビデオチャットをする人も増えています。
それに応じて、スムースに動画を楽しむために、もっと高速なインターネットサービスに加入しないといけないと思っている人もいるでしょう。
一方、最近のインターネットサービスは、通信回線とプロバイダーがセットになって割引があったり、携帯電話の料金もセットになって割り引いたり、最近では電気の料金とも連携して割り引いたりします。
でも基本のインターネットの性能を正しく把握しておかないと、失敗することになるかもしれません。
安さを追求しても、速度が遅いとなると、イライラして、解約したくなるけれど、途中で解約するとペナルティがあったりするので要注意ですね。
また、インターネットの使い方も多様になり、もっぱらモバイルで使う人も増えています。モバイル派の人には、その人に適した別の選択肢があるはずです。
(関連記事:家で使う高速インターネットは何がベストか/ネットで動画を観る人の場合)
個々のユーザーのライフスタイルに左右される要素が色々ありそうなので、高速インターネットサービスを選ぶためのベースとなる基本的な事項を整理してみましょう。
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インターネットの速度(ビット/秒)に関する基本知識
ビット/秒は、1秒間に送る情報量(ビット数)であり、高速インターネットサービスを選ぶ人にとっての最大の関心事はここでしょう。
数字の意味
回線速度は、1秒間に送受信される情報量を、ビット数で表します。
Kbps: キロビット (1000 bits) per second
- 電子メールやチャット、メッセージなどのテキスト通信、ヴォイスメールなどであれば、100Kbpsあれば十分です。
Mbps: Mega (1000,000) bits per second
- 画像、映像通信になると、1Mbps以上が必要となります。
- Youtubeなどの標準画質であれば、1M~5Mbps, 高品質の映像配信であれば、10Mbps以上は欲しいところでしょう。
- NetFlixでは、4K映像の受診に、15Mbps以上を推奨しています。
Gbps: Giga (1000,000,000) bits per second
- 一つのアプリケーションで、1Gbpsをフルに使うことは通常はないでしょう。が、複数のコンピュータで異なるアプリを同時に動かす際には、それらのパソコンや端末が一つのWiFiにつながっている時、そのWiFiの速度、またそのWiFiルーターのネットワーク側の回線速度は、100Mbpsから1Gbpsに迫る回線速度が必要でしょう。
データ量
GB(ギガバイト)というデータ量は、トータルで使用したデータ量です。
B(バイト)= 8 bitなので
1GB=1000,000,000 giga bite = 1000,000,000 x8giga bit
目安として、Youtubeを標準画質で、1時間程度観た時に、1GBくらい使う感じです。
最大速度と実質速度
最近は誰でもご存知の”ベストエフォート”という言葉が表すように、インターネットの本質は、情報をやり取りする速度が保証されないことです。
インターネットサービスを考える時に、最初に頭に浮かぶのは、回線の最大速度ですね。
インターネットの速度を決定するネットワークの構成部分は、家庭から通信会社の設備まで、通信会社からインターネットまで、そしてインターネットそのもの、と大きく3つの部分になります。
家庭に提供されている光ファイバー回線のインターネットサービスでは、複数の世帯で途中までのファイバーの帯域を共用するタイプになっています。
これは、回線のコストを下げるために共用しているのですが、そのため、回線速度は遅くなります。
誰も他に使っていない場合の速度が最大速度になります。
通信会社から、インターネット、インターネット内部は、やはり共用部分となります。
結局、実質速度は、家庭から通信会社までの、共用の混み具合と、通信会社から、インターネット、インターネット全体の混み具合によって変化することになります。
本当に気になるのは、実質速度ですが、サービスの実質速度は最大速度に比例する、という傾向はあるでしょうか?
速度に影響を与える他の要素がたくさんあるので、必ずしも比例するわけではありません。
言えることは、他の要素が同じ条件ならば、”最大速度が速いと実質速度もそれなりに速い”ということは正しそうです。
他の要素とはどんなものがあるでしょうか。
家庭で使うインターネットの実質速度の変動要素
(1) 使っているパソコンや端末の種類、処理能力
例えば、PCのオペレーティングシステムを最新に変えたら、他の要素が同じ条件でも、速度が速くなることがあります。
(2) 家の無線LAN回線
例えば、無線LANのルーターを新型に取り替えたら高速になったり、PCを有線(イーサネットケーブル)で接続したら速度が上がります。
-> 関連記事 動画配信のネット速度を確保する/ちょっとした工夫で速度向上
(3) 家から回線設備提供会社の施設までの回線の混み具合
仕様に記述されている最大速度は同じでも、光回線契約の種類、同じサービス地域で加入している人の状況で変動します。
ファイバーは分岐させて帯域を共用しているので、同じサービス区画の他の人がたくさん使っていると混み合うことになります。
ケーブルテレビのインターネットの場合、多くの世帯で共用するため、速度が上がらないことがあります。また、構造的に、上り回線の速度が抑えられます。
(4) インターネットに接続する事業者間での回線の混み具合
プロバイダーによって、サービスの種類によって、潤沢な回線が用意されているかどうか、差があるようです。安いプロバイダーに変更したら速度が遅くなることはあります。
(5) サービスを提供するサーバーの混み具合、サーバーの処理能力
例えば、YouTubeとか、Huluのサービスを使っている人の多少で、サーバーにかかる負荷が変動し、サービスの速度が変化します。
これらの要素の中で、もし何かの要素がネックになって、それによって実質速度が遅い場合には、回線の最大速度に関係なく、実質速度は遅くなっています。
実質速度を測定する場合は、対象サービスを変えたり、時間帯を変えたりして、様々な条件で測定してください。様々な要素の影響を考慮した速度を把握することができます。
-> 関連記事 インターネットの速度測定、何を使えばいいの?
-> 関連記事 動画配信のネット速度を確保する/ちょっとした工夫で速度向上
上り/下り回線の速度の違いの意味
データをダウンロードしたり、映像をストリームでみたりする際には、下りの回線速度が気になります。
上りの速度は、データをアップロードする際に、あるいは映像を自分がストリームする際に問題となります。
スカイプや、FaceTimeなどのテレビ会議のようなアプリを使うユーザにとっては、下りだけでなく、上り速度もバランスしていることが重要です。
オンラインゲームに興味あるユーザは、応答時間 (pingの数値)にも敏感でしょう。
pingとは
pingとは、もともと、unixのコマンドで、インターネットのポートまでパケットが往復する到達制を測定するものでした。
pingによって、指定したIPアドレスまでのパケットの到達制と往復時間がわかります。
日本国内であれば、最大で20msecくらい、米国であれば、120msec以上、欧州だとさらに100msecくらい上乗せとなります。
光ファイバー上を信号が伝達する時間と、インターネットのルーターにて処理する時間の総和で決まります。
この時間が安定しているかどうかも、使っている回線の安定性として、重要な判断要素となります。
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高速インターネットと言えるための標準的な速度?
最近の多くのユーザの使用形態を考慮すると、私の個人的な見解としては、高速インターネットは
- 最大速度(maximum rate)は100Mbps以上
- 通常速度(sustainable rate)は15Mbps以上
が、上り/下りともに、安定して欲しいところです。
これより速度が低いサービスでは、現代の標準的な近い方では、様々な支障や不満で出てくると思います。
最近の使い方では、映像をアップロードしたり、双方向でビデオチャットするアプリが使われる機会が多くなっているので、上りの速度が低い場合は、注意が必要でしょう。
最後まで読んでくれてありがとうございました。。
スムースに動画を楽しむための家のインターネットの選び方については、関連記事があります。
関連記事:家で使う高速インターネットは何がベストか/ネットで動画を観る人の場合
元気シニア
付録
- 光ファイバーの場合、ファイバーそのものは、帯域は光の波長で決まり、ほぼ制限はありません。
- ファイバーの両端に設置する装置によって、最大値が1Gbpsになったり、200Mbpsになったりします。