インターネットの速度測定、何を使えばいいの?| 最新 2021年改定
2021/05/27
ネットの速度が気になる時、
どの測定ルーツを使えばいいでしょうか。
はじめに
インターネットの速度測定サイトや
速度測定アプリがたくさんあります。
何が違うのか理解した上で
適切なものを使いたいです。
また使ってはいけないツールもあります。
関連記事:使ってはいけない速度測定ツール
この記事は、インターネット速度測定に関する
基本的な事項、具体的なサイトの比較など、
最新のツールも含めて解説します。
どんな目的で何を使えばいいのか
幾つかの測定方法の特徴を比較してみます。
速度測定の基本(前提)
測定値はかなり変動する
速度測定のツールによってかなり
測定値が違うことがあります。
もちろん測定する時間帯でも変わります。
その理由は、いくつかあります。
●もともとインターネットは速度が一定でない
●測定で使っているサーバがツールにより異なる
●測定で使っているデータの大きさやアプリの種類が異なる
●インターネット上の測定経路が異なる
大まかには以上のような理由で、速度に影響します。
このようなことを認識して測定結果を評価する
必要があります。
関連記事:使ってはいけない速度測定ツール
測定の仕組み
速度測定の一般的な方法は、速度が
気になるよう典型的なアプリを想定し
動画や情報を発信するサーバーと
それらを受ける端末との間で、データ
送受信速度を測定します。
端末は、インターネット接続された、
ユーザーが使っているPCやモバイル機器です。
測定方法
測定用Webにアクセスする方法と、
端末アプリインストール方式があります。
Webにアクセスする方式では測定サイトに
ブラウザーでアクセスします。
すると、Webサイトではアクセスした端末の
IPアドレスを使って、準備した測定用の
サーバーから、端末へのルートで速度測定します。
端末アプリを使う場合は、そのアプリを起動し、
端末からサーバーへのルートで測定します。
これらの場合、実際の測定ソフトは、
JavaScriptによるもの、Flashによるもの、
JavaAppletによるものが一般的です。
JavaAppletによるものがもっとも正確に
測定できると言われています。
測定するデータの種類
自分のPCまたはモバイル機器と
サーバの間で、送受信されるデータの
通信速度、遅れ時間、安定性を測定します。
- 通信速度
上り回線速度、下り回線速度を
Mbps(Mega bit per second) を単位として
測定します。
下りの回線の速度は、ダウンロードする場合や
動画をストリーミングで観る際に重要になります。
上りの速度は、ビデオのチャットアプリや
ファイルのアップロード、ゲームを楽しむ際に
重要となります。
- 応答速度またはレイテンシ(応答遅延時間)
パケットが、往復する時間をmsecで測定します。
オンラインでゲームを楽しむ際には、
遅延時間、レイテンシも重要となります。
測定ツールによっては、Ping値とも呼びます。
- 安定性
インターネットパケットはルーターなどで
バッファされて遅延しますが、各ルータで
遅延がばらつきます。これがジッターとして
蓄積しパケットの到着が揺らぎます。
この揺らぎを安定性として測定します。
揺らぎの分布をmsecで測定することが多いです。
速度測定サイトによって、上記の測定を全て
測定するものや、一部のみを簡易に
測定するところがあります。
動画サービスなどを観たい人が簡単に速度を知りたい場合
まず、ふだん動画を見るのと同じネット環境に
接続されたPCを用いて測定します。
PCでブラウザーを立ち上げ、速度測定の
サイトにアクセスして、速度測定を行います。
時間帯にも気をつけて、朝、昼、夕方、
深夜など、変化させてみてください。
なお、測定したい動画サービスが決まっていれば、
そのサービスが提供するツールで測定するのが
もっとも正確にその動画サービスの速度を推定できます。
動画サーバと同じインターネット上の位置にある
サーバを用いて速度測定するので、
最も実態に近いデータが得られるはずです。
ブラウザーから簡単に測定ができる
サイトを調べてみました。
FAST (NetFlixユーザを想定したもの)
最近のシンプルな速度測定サイトFAST (2016年7月追加)
NetFlixが、2016年から、FASTという
速度測定サイトサービスを開始しました。
NetFlixで動画を見る人が、配信の速度に関して
疑問を持つ場合に、手軽に測定できるようにと
NetFlixが提供を開始したものです。
測定はダウンロード速度のみで、NetFlixの
サーバーから自分の端末までの速度を測定します。
したがって、NetFlixのユーザーにとって、
動画をストリーミングして見る際の
実際の速度に近い測定結果になるでしょう。
パソコンでも、スマホでも、
インターネットにつながる端末で利用できます。
NetFlixユーザにはオススメです。
> ちなみに、元気シニアの環境では、以下のような結果で、17Mbpsでした。(2016年7月)
この場合は、日本国内のNetFlixのサーバーから
ダウンロード速度を計測しているようですが、
あまりに簡単なインタフェースのため、
詳細は不明です。
(追加:2021年5月)
その後、FASTはより高度な測定も可能となり、また設定を変えることもできるように高機能化されています。NetFlix専用ではなくなりました。
2021年5月に我が家からFASTにアクセスした結果は以下のようになっています。
「詳細を表示」をクリックすると、さらに詳しい測定を行います。
その結果は以下の通りで、レイテンシ(遅延時間)とアップロード速度が加わり、より一般的な速度測定ツールとして使えるようです。さらに端末のプロバイダー情報、サーバー情報も提供されています。
また必要であれば、さらに細かい設定ができるようになっています。
ということで、FASTは2021年においては、最も簡便で、使える速度測定ツールの一つになったようです。
Googleのインターネット速度測定(2018年1月追加、2021年5月さらに追加)
Google検索で”インターネット速度測定”と
入力すると、トップに表示されるページで
インターネット速度測定ができます。
ダウンロードとアップロード速度がそれぞれ
10数秒で測定されます。
これはM-LABという組織で運営しているサービスを
Googleが連携して利用しているもので、オリジナルは
こちらのサイトです(英語のサイト)
基本的にどのようなブラウザーでも動くので、
もっとも簡便で便利なツールと言えます。
ただし、応答時間などのデータは出てこないので、
ビデオチャットとか、ゲームを想定した測定には
少し物足りないかもしれません。
(追加)2021年5月
2021年5月に測定した結果は、以下の様になりました。
レイテンシー(遅延時間)の情報が追加されました。
BNRスピードテスト
比較的歴史があり、私がよく以前に
使っていたサイトです。
このサイトでは、日本国内(東京)にある
複数のサーバを利用して測定していますので
サーバーによるバラツキを、見ることができます。
- BNRの速度測定方法
速度の測定方法としては、
FLASHを用いる場合と、
画像のダウンロードを用いる場合があります。
BNRのトップページでは、
FLASHを用いる方法が使われています。
私は、FLASHを用いないで
画像をダウンロードするサイトをお薦めします。
端末がiOs系でも使えます。
この場合、時間はかかりますが、
複数のサーバー(5つのプロバイダー)からの
ダウンロードデータを出してくれますので、
サーバーによる違いがわかります。
(下の部を参考にしてください)
BNRは比較的歴史のあるサイトで、
データも蓄積されています。
速度測定の実測値の分布(地域別、回線別)
BNRスピードテストのサイトにおいて
本サイトを利用したデータを蓄積しており
公表しています。
このページで、通信会社の回線種類や、
CATVなどで分類して、地域ごとの
速度測定の実測値の分布が出ています。
自分の家の速度が普通の範囲なのか、
特別遅いのか、チェックできます。
ただし、回線種類に関しては、
CATVと分類されていても、
そのCATV会社が提供する光回線インターネットの
速度測定値であることがあるので、
通常のCATV回線速度と混同しないように
注意が必要です。
もし自分の測定結果が、この分布に対して、
極端に速度が遅い場合は、
無線LANの選択、家庭の中の設置環境、
有線LANのケーブル種類など、
一度調べた方がいいと思います。
BNRの応答特性は測れない場合がある
また、Ping値(応答遅延時間)を測定することで
返事が返ってくるまでの応答時間もわかります。
応答時間は、端末からサーバーへパケットを送って、
反応が帰ってくるまでの間の時間です。
ただし、BNRの場合、途中のルーターなどで
上位からのpingコマンドに返事をしない設定に
なっている場合には、測定ができないようです。
実際にPingを測ってみると、フレッツ光回線と
WiFiを使っているうちの環境、
docomoのLTEモバイル回線を使った環境の場合は
Ping値をBNRでは測定できませんでした。
BNRの解説によると、途中のルーターで
ステルス機能が入っていると、測定できないということです。
この点は、BNRの使いにくい点です。
Pingをあまり重要視していない場合であれば、
幾つかのサーバーからの速度測定結果を
見たい場合には、いいサイトと言えるでしょう。
SPEEDTEST.NET
FAST のサイトに比較のために、
画面の下に紹介されているのが、
FASTとは対照的に、グラッフィクデザインが綺麗で
高機能の測定ができることで定評のある
Ookla Speedtestです.
下記に私の家の環境の測定例を示します。
私のプロバイダーがso-netであるため、
so-netのサーバーまでの回線で測定しています。
結果は、同一時間で、下り20Mbps、上り17Mbpsでした。
(2016年7月測定)
したがって、同じ時期のFASTと似たような値であり、
FASTもかなり信用できる数値が出ているようです。
Ping値の測定も可能です。
なお、Ookla Speedtest、並びにその一部である
Pingtest.netは、自分の端末から、様々な
ロケーションのサーバとの間の回線品質を
測定できるツールとなっています。
サーバーは登録制になっているようで
今後増えていくものと思われます。
<注意事項>
ただし、このサイトは広告が沢山出てくるので、
少し煩わしいサイトとなっています。
間違ってクリックしないように、
十分に注意して利用してください。
SPEEDTESTの試験の開始は、下のような、
(2021年時点では変更されています)
紛らわしいSTARTボタンが
出てくる時があります。
MacをCleanにするなどの、
欲しくないアプリがダウンロードされる
ボタンがありますので、ご注意ください。
また、Javaアプレットを使った
グラフィックスがあり、Java最新版の
ダウンロードなどが要求されます。
以下は2021年5月追加の情報です。
SPEEDTESTの試験の開始は以下のようになりました。
GOボタンを押すだけです。
2021年5月時点の、我が家のインターネット速度
測定結果はこのようになっています。
Radish Network Speed Testing
SPEEDTESTに比べてデザインはシンプルですが、
2002年頃から提供されている、正確な測定を
目標にしている速度測定サイトです。
JavaAppletを駆使した測定方法で、測定誤差を
抑えて実効スピードを測定することができます。
上り下りの測定が最大500Mbps程度まで可能。
東京と大阪にサーバーを準備してあります。
様々な性能データが得られるので、ぜひ試して
みてください。
資料室というページには、この測定サイトを
使って測定した過去の統計データを見ることが
できます。
統計データを見ると、実際の測定結果からは、
Nuro光サービス(So-net提供)が、動画に嬉しい
高速回線であることがうかがい知れます。
専門的な(高機能)速度測定サイト SourceForge Speed Test (HTML5方式でモバイルでも使える)
これは、かなり専門的な測定値が得られる
サイトで、サーバーは米国にあります。
HTML5を利用しているので、
ブラウザーが使えれば、モバイル機器でも
PCでも測定ができることが特徴です。
良い点は、その測定範囲のきめ細かさです。
通常の、Download Speed(ダウンロード速度)、
Upload Speed(アップロード速度)に加えて、
Latency/Ping(レイテンシ/Ping値)、
並びにJitter (ジッター)も、詳細に調べてくれます。
Latency/Ping値とは、端末からサーバーまで
データ転送などを要求し、サーバーからその結果が
送信され帰ってくるまでにかかる時間で、
単位はミリ秒(ms)。短いほど良いです。
JitterはLatency/Ping値の変動量を示します。
回線/ネットワークの安定性を示しています。
ジッター値も、小さいほど安定しています。
気をつけることは、サーバーが米国内に
配置されているので、米国におけるサービスを
前提にした分析になっています。
レイテンシーや、応答速度に関しては、
120msec くらいの日米の往復時間があるので、
その部分を考慮して捉える必要があります。
回線速度(アップロード/ダウンロード)に関しては
米国サーバーに対しての値ですが、かなり参考になります。
速度向上の工夫(ヒント)
サイトで比較した速度分布に比べて、
自分ちの速度が遅いな、と感じる人は、
以下をチェックしてみてください。
最速の光インターネットは
より詳しく知りたい方へ:測定環境の違いで変化(サーバ、端末)
理想的な測定環境は、実際の動画配信用サーバーと
近い位置(インターネット上での位置)にある
サーバーを用いて、かつ、実際に使用するPCや
端末を用いて測定するのが望ましいです。
一般には、実際と同じ動画配信サーバーを
用いることはできないので、なるべく
似たような環境で、測定するしかありません。
測定サイトで使っているサーバのアドレスが
わかるか場所がわかることで、より確度高く
推定できることになります。
ただ詳しい情報は公開されていないので、
我々素人が確認できるのは、測定サイトが
日本国内のどこにあるサーバーを使っているのか
が最も簡単な判断材料となります。
アプリ、サービスによってはによっては、
国外にあるサーバを用いていることがあります。
そこは要注意です。
端末については、目的とするサービスを使う時と
同じ状態にして測定することが必要です。
端末で、別のジョブが動いていたりすると、
ネットワーク用アプリの実行速度が影響を受け
データ通信の速度が遅くなる可能性があります。
スマホやタブレットを用いて動画を観る人
スマホやタブレットを用いる方は、
実際に視聴する環境に端末をセットした状態で
以下のサイトにあるような無料の
スピード測定アプリを使って、速度を測定してください。
すなわち、まずWiFiを使うのか、それとも
携帯電話の回線を使うのかを選んでください。
モバイル機器の速度測定アプリ
モバイル機器に関しては、PCと同じように
ブラウザーで速度測定サイトにアクセスする方法と
速度測定アプリをダウンロードして、
機種に応じてインストールして利用する
方法があります。
アンドロイドやアップルiPhoneなどに
アプリをダウンロードして使うタイプは
RBB TODAY SPEED TEST、
ドコモスピードテスト、
MFR 回線速度チェッカー、
Speedtest.net Speed Test
などたくさんあります。
速度測定の他に、pingなどの測定も可能です。
Speedtest.net Speed Testはオススメです。
AndroidまたはiOS用で使えます。
アプリをダウンロードすると
ゲームの広告が沢山出てきますが
No Thanks を押すと、消えます。
これを我慢すれば、無料で使えます。
とてもかっこよくて使いやすいデザインです。
履歴、サーバーのIPアドレスなど、
多くの測定項目が提示されるので良いです。
[ad#res-1]
まとめ
多種多様なインターネット速度測定サイト
測定アプリがあります。
シンプルで簡単なものから、
様々な指標を測定できる、
高機能なものまであります。
2021年の時点で、使い方がシンプルで、かつ、
通常の家庭での使い方として必要十分な情報が
得られるのはFASTが良いと思います。
様々なサーバーの場所や、指標を調べたい場合は、
様々な場所のデータの蓄積もチェックしたい場合は、
BNRスピードテストがおすすめです。
詳しくサーバーの場所を比較したい場合は、
Ookla Speedtestが、英語のサイトですが
良いかもしれません。サーバーの場所を選べるので、
最も柔軟性の高い測定が可能となります。
モバイル環境の場合、場所によって状況が変化し、
同じ場所でも、時間帯によっては、
かなり速度が変化しますので、ご注意ください。
私の場合、docomoのLTEのSIMでのデータ通信で
1日のうちに10倍以上の速度の変化がありました。
高速インターネットを楽しみたい方は、
関連記事があります。
家で使う高速インターネットは何がベストか/ネットで動画を見る人の場合
最後までお読みいただきありがとうございました。
元気シニア