東ロボくん 東大諦める AIは意味を理解しない 人間は意味を理解できるから価値がある
2016/12/14
ロボットは東大に入れるか?
メディア受けのキャッチフレーズで始まった
国立情報学研究所のプロジェクトですが、、、
挑戦はやめになりました。
いったいそこには何の意味があるの?
大学入試についても、考えてみました。
はじめに
人工知能の東ロボくんが、模擬試験に挑戦
今年も合格レベルに達しなかった。
挑戦は今回(4回目)で終了ということです。
特に、英語のリスニング、国語などが
ダメなようです。
これは基本的に意味の理解ができないためで、
このままでは苦手科目は永遠に
克服できないという判断だそうです。
これってどのように考えればいいのか、
何か釈然としないので少し書いてみます。
東ロボくんの成績
東ロボくんは、今年も、ベネッセ
コーポレーションの「進研模試」を受験し、
成績は、東大合格には及ばないレベルでした。
5教科8科目の合計得点は525点で、偏差値57.1、
昨年に比べても得点は微増とはいえ、偏差値は0.7
前年よりも下がる結果に。
とても、東大合格レベルには達しなかったようです。
科目別の偏差値をみると、得意なのは、
世界史B、物理などで比較的、好成績
だったのですが、英語(リスニング)
国語(現代文+古文)がとても悪かったようです。
模試の成績
センター試験の模試(マーク式)の結果
得点 | 全国平均 | 偏差値 | |
---|---|---|---|
英語(筆記) | 95(80) | 92.9 | 50.5(48.4) |
英語(リスニング) | 14(16) | 26.3 | 36.2(40.5) |
国語(現代文+古文) | 96(90) | 96.8 | 49.7(45.1) |
数学IA | 70(75) | 54.4 | 57.8(64) |
数学ⅡB | 59(77) | 46.5 | 55.5(65.8) |
世界史B | 77(76) | 44.8 | 66.3(66.5) |
日本史B | 52(55) | 47.3 | 52.9(54.8) |
物理 | 62(42) | 45.8 | 59.0(46.5) |
合計=950点満点 | 525(511) | 437.8 | 57.1(57.8) |
また、東ロボくんは、2次試験を想定した
代々木ゼミの模試「東大入試プレ」も受験し、
地理歴史(世界史)は偏差値51・8だったが、
数学(理系)は偏差値も76・2と好成績
だったようです。
2次試験の模試(論述式)
得点 | 全国平均 | 偏差値 | |
---|---|---|---|
地理歴史(世界史) | 16 | 14.5 | 51.8 |
数学(文系) | 46 | 19.9 | 68.1 |
数学(理系) | 80 | 30.8 | 76.2 |
(出典:朝日新聞デジタル記事より http://www.asahi.com/articles/ASJCC4TZHJCCULBJ00K.html )
なぜ挑戦を中止したのか
研究プロジェクトの先生によると、
東大合格を断念したのは、苦手科目を克服する
見込みがない、ということです。
プロジェクトリーダーの言葉では、
「昨年と同様の点数だったので、AIの可能性や
限界が分かった。今後は得意分野を伸ばし、
産業応用レベルに高めることを目指す」ということです。
また別の記事では、今回でやめるその根本原因は
AIは意味を理解できないからということです。
特に、英語などの問題で、文章の意味解釈に関して
問題があったようです。
それって最初から分かっていたことではないか?
今までのAIやロボットは、
大量のデータから学習したり
処理をすることは得意ですが
意味を理解することはできないということは
まさに今までのAIやロボットの限界だった気がする。
そこは分かっていて、挑戦したはずなのに
その当たり前のことを確かめてやめる?
何か釈然としない感じもあります。
それとも、単純に、大学入試問題は
思いのほか難しかったことでしょうか。
つまり、入試問題は、知識だけでなく
意味の理解もできないと正解が出ない
そういう問題が、ある程度含まれる
ということが分かったということでしょうか?
であれば、人間の能力にも少し安心できます。
AIにはできない仕事があり、
それは人間がする必要があるということです。
ちょっと元気になります。
大学入試において記述式問題が増える
国立大学協会では、2020年度から、
記述式問題を増やすそうです。
知識量だけでなく、思考力、判断力、表現力を
調べるような入試に改革するそうです。
これは、AIには不得意な人間の能力を評価し、
伸ばすことにつながるので、良いことだと思います。
まとめ
2030年には、現在のホワイトカラーの仕事の
半分が、AIに置き換えられるということです。
AIが社会で働くようになった時に、
AIはどんな仕事をして、
人間はどんな仕事をするのか?
お笑いの仕事をAIができるのか?
若い皆さん、どうか『意味』を
理解できる人になってください。
そうすればAIには負けない仕事ができます。
元気シニアでした。